文章でお届け。《対談》【聞くチカラ】仕事でも家庭でも活きる「聞いたままにしない」インタビュアーのあやこさん
OURHOME Emiです。
ラジオvoicyでお届けした、企業の社内広報誌専門の編集者、そしてインタビュアーでもある「あやこ」さんとの対談。
短い時間の取材で、ぐっと本質に迫るその【聞く力】が素晴らしく、私の取材終わりに、逆取材させてもらいました!
今回は、そんなあやこさんとのお話を文章でお届けします。
Emi
「今日はとある企業さんのお仕事で、東京からお越しいただいて本当にありがとうございます。
あやこさんは企業の社内広報誌の編集担当として、たくさんの方とお話しされていると思いますし、私も今まで10年以上、メディアに出させていただいて、ライティングされる方や編集の方と、たくさんお仕事をさせてもらっていますが、その中でもあやこさんの“たった40分の取材で、これだけ本質にぐっ!と入ってきてくれる”ところにちょと感動すら覚えて!」
あやこさん
「いえいえ、とんでもないです…!」
Emi
「あやこさんは、お話を聞く時にどんなことを心がけていらっしゃるんですか?」
あやこさん
「バランスが難しいんですけれど、ひとつは相手の方の言葉に耳を傾けること。一方で、自分の中での価値観も大事にしています」
Emi
「なるほど」
あやこさん
「今の話を聞いて、自分はこう思ったのだけれど、それに対してどう思いますか?という感じで。
こちらが軸がないままお話を伺っても、多分それは聞きっぱなしになってしまうし、たぶんその人が普段思っている言葉が出てくるだけで、それ以上の言葉は出てこないと思うんです。
Emi
「うんうん」
あやこさん
「だからやっぱり、お話を聞いた時に自分がどう思ったか、それを違う目線で見た時にどう感じたかというのを必ず伝える。聞くんだけれど、聞いたままにはしないようにしています。
あと、今日Emiさんのお話を伺っていて、自分の中での実感や体験を非常に大事にされていらっしゃるなと感じたんです。それが、言葉の中にすごく説得力を持たせる力になっているなと、今日お話を伺っていて思いました。私自身も似たようなことは考えていて、私が普段体験していないとか感じていないことを軸しちゃうと嘘になっちゃうので」
Emi
「あぁ、そうですね。」
あやこさん
「だから質問をお戻しをする時にも、必ず自分に1回引き寄せて、自分のどこかパーソナリティのところにちゃんと立てているるかどうかというところは、大事にしているかもしれないですね」
Emi
「たぶん私があやこさんに惹かれたのはそこで、自分の言葉をすごく持ってらっしゃるんだな っていうのを感じたんです。
例えば、今までいろんな方とお仕事をさせてもらっている中で感じているのは、私の情報って検索したらたくさん資料が出てくるので、それをある程度頭の中で記事化して、取材に来てくださる方もおられるんです 。それは事前の準備としてはすごくありがたいんですけど、そこを超えることってなかなか難しかったり、たぶんこの答えを求めてるんだなと思ってお話をしなきゃいけないようなシーンもあったりするんです。
でもあやこさんは、事前に見ては来てくださると思ったんですけど、でもそれよりもここで感じることとか、私と話をして「もっとここってこういうことですよね?」みたいなのを、咀嚼して言葉にしてくださったから、めっちゃ 信用できる!と思って」
あやこさん
「ありがとうございます…!」
Emi
「あやこさんの取材が終わって、コーヒーを飲みながらみなさんの仕事の仕方や考え方を雑談で聞いていたんですけれど。もうこれは逃したらあかん!と思って、急遽、逆取材をさせてもらいました(笑)
あやこさんは、先ほど【自分のパーソナルの部分と合わせて話をする】っておっしゃってたじゃないですか?私、朝まさに同じことをスタッフに話したところなんです。
新しい新商品が出るので、それの商品説明をスタッフがしていたんですね。で、私はその場で「この新しい商品の“情報”を知って、お客さまに伝えるというのはもちろん大事だけど、例えばこの新商品のサロペットが、自分自身の生活の中で困ってることとどう繋がるか。
撫で肩の人だったら、自分は肩が落ちて困ってるから、このベルトが便利なんだよね とか、自分の言葉やエピソードがたくさん貯金できている子は、きっとお客さまに伝わるよ!というのを話したところで!」
あやこさん
「わかります」
Emi
「たぶん、自分のパーソナルな軸を客観的に見れている子は、それが人にも伝わりやすいというのはきっとどの世界でも同じですよね」
あやこさん
「そう思います。もうひとつ、私が心掛けていることがあります。言葉がすごく厳しい言い方になってしまうんですが、話を聞くお仕事をしている上で【情報の搾取を一方的にする側であってはならない】という戒めが私の中にあって」
Emi
「なるほど」
あやこさん
「伺った情報を記事に書いて、それをいろんな形で発信していくことが自分たちの仕事ではあるんですけど、こちらの心やパーソナルを何も見せないで一方的に相手の情報だけを引き出して、それで帰るって、それでいいんだろうか?というふうに思っていて。
もちろん、ご自分の語りをされたい方にはそうします。だけど、やっぱり話し終わった時に、「あぁ今日話したいことを話せた」とか「投げかけられた質問をきっかけに考えてみたら、自分の中の見えなかった部分や新しい言葉の表現が見つかった」っていうのが、取材を受けてくださった方にちょっとでも残るような状態に持っていきたいなと。
仕事だけれど、人と人とのコミュニケーションであるので、やっぱりそこは一方的な関係で「じゃあ、ありがとうございました。失礼します。」にはしたくないなと思っています。」
Emi
「なるほど〜。今日も冒頭に雑談をしたりして、それが空気を作るすごく大事な時間だったと思うんですよね。今日は全員で8人ぐらいいて、和気あいあいとした雰囲気だったんですけれど、そこで最初にあやこさんが「昨日もというか、今朝2時半までパソコンで仕事してて、朝の7時からまた移動だったんですよ」っていうその言い方で、すごくお腹を見せてくれた感じがしたんですよ。
あやこさん
「ふふふ(笑)」
Emi
「あやこは仕事をする女だぜ!みたいな感じの(笑)。だけどそれが全然嫌そうじゃないっていうか、時間的にはすごく大変だけど、それをなんかこう「あやこ、乗り越える魂持ってます!」みたいな感じで(笑)。
正直、私たちの働き方とは全然違う働き方だけど、決して私はそれを悪いとは思ってなくて。自分がそれをちょうどいいと思ってたらもう最高!あやこさんは多分しんどいけれど、「そのあやこ、 結構好きだぜ」って思ってるんかなって感じました(笑)。
今日はたくさんお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました!」
あやこさん
「こちらこそ、今日は本当にありがとうございました」
みなさんいかがだったでしょうか?
インタビュアーあやこさんのお話に、私自身すごく勉強させてもらいました。
あやこさんが話されていた【聞く側は、情報の搾取を一方的にする側ではあってはならない】という話は、親子や夫婦、家族関係においても同じことが言えるんじゃないかな?っと思ったんですよね。
例えば「子どもに今日どうだった?」「学校の友達はどうなん?」と、お母さんとして良かれとおもって聞くんだけれど、聞くばっかりではなくって、例えば、子どもに「お母さんと話をしてよかった」と思ってもらえるかどうか。
夫に対してもそうですよね。いつも聞くばっかりじゃなくて、自分自身の話をする、自己開示することなので、夫にもね、例えば「Emiと話して良かった」と思ってもらえるかどうかという視点を忘れないでおきたいなと思いました 。
今日のあやこさんのお話をまとめると
- 短い時間で本質に辿り着くためには、まず相手の言うことに耳を傾ける
- それと同じぐらい、自分のパーソナルな部分に照らし合わせて聞くようにする
- 聞くんだけれど、聞いたままにしない
- 聞く側は、情報の搾取を一方的にする側ではあってはならない
みなさんの暮らしの中に、何かひとつでもヒントになったら嬉しいなと思います。
平日毎日お届け。
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